県議会の健康福祉委員会が開催されました。私から「新型コロナウィルス感染症対策」と「高血圧対策」について質問しました。
Q、二木
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。
コロナとの闘いは2年半が経過し、年明けからのオミクロン株による第6波感染拡大も半年を経過しており、長期間にわたり最前線で県民の命と健康を支えてくださっている医療従事者や関係者の方々に、感謝を申し上げます。ここ数日の感染者数は徐々に減少しているところですが、ご存じのとおりコロナウイルスはこれまでの何度も変異を重ね、その度に感染拡大を引き起こしております。こうした中で、オミクロン株はBA.2など、感染力の異なる亜種の発生も報告されているところです。
そこでまずお尋ねですが、本県における亜種の発生状況は、現在どのようになっているのかお伺いします。
A、新型コロナウィルス感染症対策室次長
新型コロナウイルスについては、お示しのように、アルファ株やデルタ株、そして今般のオミクロン株など、数度にわたり変異してきており、現在、本県では、オミクロン株の「BA.2」系統が約97%を占めています。現時点、国において、感染力や重症度等の観点から、ゲノム解析による監視が必要であるとの見解が示されているオミクロン株は、「XE」、「BA.4」、「BA.5」、「BA.2.12.1」の4系統があることから、特に、これらについて、注視しているところです。
こうした中、本県では、環境保健センターにおけるゲノム解析の結果、これまでに「BA.2.12.1」の発生を1件確認しています。なお、それ以外の3系統については、確認されていません。
Q、二木
ありがとうございます。
オミクロン株亜種などの変異株は、変異によって感染力が増大するだけでなく、一度感染した方であっても、再度感染するケースも報告されているところです。
withコロナの流れの中で、県民が自らの感染防止対策をしっかりと行うためには、現在どういう変異株が広がっているのかを理解し、個々がしっかりと対策を意識することが重要であり、そのためには、県からのスピーディーな情報発信が必要と考えます。そこで、県では変異株の情報発信について今後どう取り組んでいかれるのか、お伺いします。
A、新型コロナウィルス感染症対策室次長
県では、注意が必要な変異株は、発生状況はもとより、感染力や重症度などの特徴や、その株の特性を踏まえた感染予防対策について、県民の皆様に対し、速やかに情報発信を行うことが、感染拡大防止の観点からも重要であると考えています。このため、「BA.2.12.1」については、その発生が県内で確認された際、速やかに県民の皆様に対し、これまでのBA.2と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いとされている特徴に加え、感染予防対策は、これまでと変わるものではないため、引き続き、三密の回避や手指消毒など、基本的な対策を徹底していただくよう、呼びかけを行ったところです。
今後、監視が必要とされている「XE」、「BA.4」、「BA.5」の発生を確認した場合についても、速やかに公表するとともに、既に確認されている「BA.2.12.1」の検出状況についても、適宜公表してまいります。
また、県では、全国知事会等を通じ、国に対し、新たな変異株について、その詳細な性状を早期に分析し、科学的・専門的情報を迅速に提供するとともに、最新の知見を踏まえた対処方法を示すよう、要望しています。県としましては、今後とも、ゲノム解析を継続して実施し、その結果や、国から示された知見等を含めた、変異株に関する必要な情報について、スピーディーかつ的確に、発信してまいります。
Q、二木
ありがとうございます。県民自らがしっかりと感染対策を講じられるよう、今後ともスピーディーな情報発信をお願いいたします。
こうした変異株も含めた感染拡大防止、そして重症化予防のために全国で進められているワクチン接種についてですが、本県では全国上位のペースで進んできているものの、年代別に見ると若者、特に12歳未満の小児の接種が伸び悩んでいると伺っています。
小児も含め若者の接種促進にあたっては、ワクチン接種の必要性について正しく判断ができるよう、丁寧な情報発信と、接種機会の確保が求められると考えますが、県では今後どう取り組んでいくのかお伺いします。
A、新型コロナウィルス感染症対策室次長
本県では、これまで、全国トップクラスのスピードでワクチン接種の促進を図ってきたところですが、お示しのとおり、小児や若年層の接種は、他の世代に比べて低い水準に留まっていることから、情報発信の強化や接種機会の確保など、こうした世代への接種促進に重点的に取り組むこととしています。
まず、情報発信についてです。小児については、本人や保護者の方に、効果や安全性を十分理解していただくため、接種券送付時に、子ども達にも分かりやすいリーフレットを同封するとともに、薬剤師が24時間相談を受け付けるなど、きめ細かな対応を図っています。
また、教育部局とも連携し、教育委員会の会議等の場を通じて、学校に対し、ワクチン接種に伴う出欠の取扱い等の留意点について周知を図るなど、丁寧に小児のワクチン接種を進めていくこととしています。
さらに、若年層に情報がしっかりと届くよう、若者をターゲットにしたSNS広告などの媒体を活用するとともに、今般新たに、同世代で活躍する「ACT SAIKYO」の選手によるメッセージ動画を作成・配信するなど、効果的な啓発に努めているところです。
次に、接種機会の確保についてですが、希望される子ども達が安心して接種できるよう、市町や医療機関等と連携し、県内約100カ所の小児科医等による個別接種体制を確保し、接種を進めています。
また、活動が活発化する夏休みまでに、若年層の接種を一層促進するため、6月1日からを強化期間と定め、市町において、休日や平日夜間の接種機会を確保するとともに、県においても、若年層のライフスタイルに合わせ、金曜日の夜間、県内3カ所に広域集団接種会場を開設するなど、接種機会の拡充を図っているところです。
県としましては、引き続き、こうした取組により、市町や医療機関等と緊密に連携し、希望する方への安全かつ円滑なワクチン接種に努めてまいります。
Q、二木
ありがとうございます。県民の皆様の命と健康を第一に、一日も早く安心した日常生活を取り戻せるよう、引き続きしっかりと感染拡大防止の取組を進めてください。よろしくお願いします。
Q、二木
 次に高血圧患者への対策についてお伺いします。
 国の調査によれば、全国の約993万人、本県でも約13万人の高血圧患者がおられます。高血圧になると、常に血管に負担がかかり、血管の内壁が傷ついたり、血管が固くなるなどにより動脈硬化の引き金となります。動脈硬化が進行すると、脳や心臓、腎臓、眼など、様々な臓器に障害がおこり、脳卒中や心筋梗塞といった死に至る重篤な病気の発症へとつながっていきます。
 国や医療機関では、高血圧を予防・改善する方法として、食事療法や有酸素運動を推奨しており、本県においても減塩プロジェクトなどの食事療法や、「やまぐち元気アップ体操」などにより健康増進を呼び掛けているところです。しかしながら、高血圧患者の中では、長年の食習慣を変えるのは一筋縄ではいかず、また、県が実施している元気アップ体操などのような長時間の運動を毎日続けるのが困難な方もおられます。
 高血圧は、喫煙と並んで日本人の死亡に最も大きく影響する要因とされ、高血圧を完全に予防することができれば、全国で年間10万人以上の命が救われるともいわれています。
そこでお尋ねしますが、本県における高血圧患者の減少に向けては、本県独自の新たな体操動画の作成や、民間事業者等とも連携したキャンペーンの実施など、高血圧患者が始めやすい・継続しやすいような取り組みを進め、しっかりと広げることにより本県の高血圧対策を一層強化すべきと考えますが、県では今後どう取り組まれるか、お伺いします。
A、健康推進課長
高血圧症は、生活習慣病の一つであり、悪化することで、脳卒中や心血管疾患などの重大な事態や後遺症の原因となる循環器病を発症させる恐れがあり、危険因子のひとつでもあります。
高血圧症の重症化予防については、減塩や運動などの生活習慣の改善が必要であることから、県では、県のホームページや健幸アプリを通して、減塩レシピをはじめ、様々な運動動画の紹介を行っているところです。
今年度、新たに、循環器病対策をテーマとした県民フォーラムを開催し、疾患の理解や生活習慣の改善に関する正しい知識の普及を図ることとしています。
さらに、お示しの高血圧患者などの方が、「始めやすい」「継続しやすい」と感じて、気軽に取り組んでいただける体操動画を作成し、アプリやホームページを活用して、県民への啓発に努めてまいります。